「文武両道なんて、できるわけない!」

夏期講習はわずかな中休み期間を迎えていますが、村上の仕事量は変わらず…。

塾長が休みを取れないのは、現場を見る上で余裕を持てないということにつながり、改善をしていくべきと痛感している最中です。

 

 

さて、夏の甲子園で昨日敗れはしましたが、山口県代表の下関国際高校の坂原監督の談話記事が、相当物議を醸しているようで、今日はその記事を取り上げてみたいと思います。

 

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「文武両道あり得ない」下関国際・坂原監督が野球論語る

8/12(土) 12:02配信

 

日刊ゲンダイDIGITAL

 

 

13日に登場する下関国際(山口)は、創部52年で春夏通じて初の甲子園。高校野球の指導者を目指していた坂原秀尚監督(40)は、教員免許取得のために東亜大に通いながら、05年、大学近くの下関国際の監督に就任した。就任前に部員の集団万引が発覚、山口大会の抽選会直前で出場停止処分になるなど荒れ放題だった野球部を立て直した坂原監督の野球論とは――

 

 

■荒れ放題だった野球部を甲子園

 

 

――野球部はかなり荒れていたと聞きますが

 

「僕が来た当初はそうですね。突然、厳しい監督が来たとなって、(部員が)みんな辞めて最後は1人になりました。その後、3人戻ってきて4人になった。グラウンド整備や道具の扱いが、とにかくヒドかった。野球がうまい下手のレベルじゃない。そういうマナーを教えると、面倒くさがって辞めていくんです。」

 

 

――今年は主将の子が逃げたとか

 

「そうです。今年に限らず、毎年います。イベントみたいな感じ(笑い)。一昨年も(県大会で)準優勝したんですが、キャプテンで4番でエースの子に責任を持たせるためにあえてそういうポジションにしたんですが、途中で逃げ出しました」

 

 

――どうやって立て直し、選手に自信をもたせたのですか

 

「春先に県外のチームと試合をして、競ったり勝ったりして自信をつけてきました。広島、東京、大阪にも行きます。遠征費は、毎月3000円の部費を生徒から徴収してますので、それでまかなう。僕がマイクロバスを運転して広島まで往復すると、ガソリン代と高速代で2万円くらいかかる。泊まりの場合はご家庭で(宿泊費を)負担してもらいます。東京には北九州空港から行きます。年末に近くのマルハニチロさんの漁港で冷凍した魚を冷凍車から降ろすアルバイトをさせてもらって、そのお金で飛行機に乗るんです。

 

 

■携帯電話は入部時に解約

 

 

――朝5時から練習するそうですが、選手が自主的に?

 

「半強制です。自主的にやるまで待っていたら3年間終わっちゃう。練習が終わって学校を出るのは21時くらい。本当に遅いときは23時くらいまでやることもあります。毎日ではないけど、長期休みの時期とか。遠征に行っても、大広間で生徒はみんな同じ空間にいるけど、やっていることはバラバラ。練習でもそうです。今の子は連帯感が希薄なんですよね。少しでもそういうのを大事にしていかないと、うちのような弱いチームは他に勝てない。進学校さんはそういうやり方が嫌いだと思いますけど」

 

 

――確かに、自主性をうたう進学校は増えています。

 

「そういう学校には、絶対負けたくない。実は東筑(福岡の進学校で今大会に出場)さんとは(現監督の)青野さんの前任者のときに1回、合同練習をしたことがあるんですけど、うちの練習を見た(東筑の)選手から『やってて意味がない』と(下関国際の選手が)言われたんです。(下関国際のように)きついことはしていない。賢い子も『意味がない』と、すぐに言うでしょ? 今回の県大会で宇部(初戦)と下関西(2回戦)と、進学校に当たったので、普段練習してないだろうと思って、思いっきり長い野球をやっちゃろうと。ボールも長い時間こねて、牽制もバンバン投げて。七回になったら向こうもヘトヘトでした。僕ね、『文武両道』って言葉が大嫌いなんですよね。あり得ない」

 

 

――野球と勉学の両立は無理と

 

「無理です。『一流』というのは『一つの流れ』。例えば野球ひとつに集中してやるということ。文武両道って響きはいいですけど、絶対逃げてますからね。東大を目指す子が2時間の勉強で受かるのか。10時間勉強しても足りないのに」

 

 

――文武両道は二流だと?

 

「そういうことです。勉強しているときは『いや、僕野球やってますから』となるし、野球やっていたら『勉強が……』となる。“練習2時間で甲子園”って。2時間って試合時間より短い。長くやればいいってことではないけど、うちは1日1000本バットを振っている。1001本目で何か掴むかもしれない。なのに、時間で区切ってしまったら……。野球って自力のスポーツで、サッカーやバスケみたいな時間のスポーツじゃない。100点取ろうが、3アウト取らないと終わらない。2時間練習して終わりじゃあ、掴めるわけがないんです。スポーツ庁が(部活動の休養日や時間の制度化を検討し)練習を何時間以内にしようと言っているでしょ? あんなんやられたら、うちみたいな学校は、もう甲子園に出られない」

 

 

――選手に任せることはしない?

 

「自主性というのは指導者の逃げ。『やらされている選手がかわいそう』とか言われますけど、意味が分からない。(対戦する)三本松(香川)さんって進学校ですか?」

 

 

――どうでしょうか……県立ですよね。

 

「三本松さんの選手、甲子園(球場)でカキ氷食ってましたよ。うちは許さんぞと(笑い)。僕らは水です。炭酸もダメ。飲んでいいのは水、牛乳、果汁100%ジュース、スポーツドリンクだけ。買い食いもダメ。携帯は入部するときに解約。3日で慣れますよ。公衆電話か手紙でいいんです」

 

 

――昭和の野球ですね。

 

「他校の監督さんは『楽しい野球』と言うけど、嘘ばっかり。楽しいわけがない。僕は現役のとき、日々の練習で野球が楽しいと思ったことはなかった。『楽しく』という餌をまかないと(選手が)来ないような学校はちょっと違う」

 

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文武両道がもてはやされるこのご時世に、ここまでぶっ放すと、むしろ清々しいモノを感じますね(笑)

 

 

多数派以外の少数派の論理はめっちゃ貴重だと思うし、エッジ効きまくりで、良くも悪くも「時の人」になりそうな感じ…マーケティング的には最高のやり方の1つでしょうね。私はこういった方は、嫌いではありません(笑)

 

 

私も、坂原監督の見解には一部納得できる部分もあります。

綺麗事だけで、人は動かせません。ウチの塾でも同じことです。

 

 

下関国際高校は、失礼ながらも調べさせてもらうと、学力的には末端のレベルに属している学校です。

 

 

学力レベルの高い高校に進学する子というのは、自己管理ができることも含め「自制が利く」タイプが比較的多いんですよね。長時間の勉強に耐えられる、目標のために我慢ができるからこそ、それだけ学力や偏差値も伸ばしていく。

 

 

それに対して、レベルが下がれば下がるほど、誘惑に負けて「自制が利かない」タイプが相当数いるのも事実であり、我慢ができないし、自己管理も皆無に等しく、欲望のまま行動する子がどうしても多くなるのは、誰もが口にしないまでも、世の中でまかり通っている共通見解になっている部分もあります。

 

 

学力の格差というのは、所得や親の育て方もあるとはいえ、最後は「我慢できる子かどうか」が大きく問われます入試などでは、学力テストを通して、その子が我慢強く生きれるかどうかの一種のフィルター的な要素もあるわけです

 

 

なので、少し前の話ですが、私の存じている、偏差値で言うところの30台の私立高校などは、入学したときにクラスの大半が中学校時代に警察に補導もしくは留置所にぶち込まれた「前科者」だったという話もあるぐらいです。

 

 

昨今では「文武両道」が理想であり、クールでカッコいい風潮がありますし、それは間違っていないと思います。ウチの塾生たちもそうなってほしいと思い、まずは「心」を鍛えるマインドセットから着手しています。

 

 

確かに野球だけできても、社会に出るときに必要な知識や学力もなければ、世の中を強く生き抜いていくことは相当至難の業になってくるでしょう。そういった意味でも、野球だけではダメなんだ!勉強もきっちり両立させて育てていくべきというのは、正論です。

 

 

しかし、そういった自立思考をできる子というのは、ある程度は学力のある子になってきます。自制が利くからこそ、自由の意味を理解し、社会生活を成り立たせるためのルールを遵守して行動できるわけです。

 

 

しかし、学力レベルが下がれば下がるほど、表題の「文武両道」を謳ったところで子どもたちが遵守できるわけありません。自制も利かない、なので自由の意味も知らない子もいるし、自由だから何をやってもよいという我儘放題の子も出てくる。そして、自分の思い通りにならなければ我慢できないからすぐに物事を投げ出す…決して珍しい光景ではないと思います。

 

 

坂原監督の「野球と勉学の両立はムリ」というのも、学校次第ですが、納得できます。

 

 

我慢ができない子がたくさん集まる場所で、ひとつのことを徹底的に繰り返させる指導というのはとても理に適っているし、ひとつのことすらまともにできない子たちに「文武両道」を謳ったところで、そんなのは机上の空論以外の何物でもありません

 

 

そういった意味でも、世論が何でもかんでも「文武両道」を持ち上げる風潮は違和感を感じますし、坂原監督の指導はこういった子たちに社会で生きる上での規律を教え、行動を徹底させることで、本人たちの「心」を変えていったことは容易に想像できます。

 

 

そして、逃げ出した子にも、改心しようとする姿勢が見られれば必ずチャンスを与えていたようで、部員ひとりひとりを大切にしていたのでしょう。そういった指導の積み重ねによって、部員たちに最大限のパフォーマンスを引き出させたことは間違いありません。

 

 

ヤフコメでは、坂原監督がボコボコに潰されて炎上しているんですよね。

挙句の果てには。下関国際高が初戦で敗れたことを「ざまーみやがれ」とか書き込んでいる、随分と人間の程度が低い方もいるようで、正直幻滅しています。

 

 

ネット上に蔓延している多数派の正義の根底には、「正論が言えないヤツは叩かれて当然、叩かれたくなければぶざけたことを言わなきゃいい」という思想があるように思います。

 

 

正義のという名の多数派の鉄槌で、マイノリティーを抹殺しようとするのは、正直低劣だと私は思ってしまいます。何のための表現の自由なんだか…。

 

 

自分と異なる意見を正義に反すると断罪する…、こういった方々が、自分たちで生きにくい世の中を創っていることに無自覚なんですよね…。だからタチが悪い。

 

 

坂原監督の場合、一部で相手校の批判をするなど少し頂けない部分もあるようですが(報道を見る限り)、末端の子たちを甲子園まで導いてきた指導力と、強烈な個性によるパワーは十分凄まじいモノがあります。談話記事だけで、坂原監督の全人格まで否定するような低劣な匿名人種とはモノが違うと思いますが?よっぽどヒマなんでしょうね。

 

 

教育含め、時代とともに変えていくべきものは少なからずありますが、一方で変えてはならないモノがあるのも確かです。

 

 

そういった部分を読めなければ、時代が良くなっていくことはないのでは…と個人的には憂うところです。今後は、教育の在り方は文武両道を超えていくのでしょうか。

 

 

長くなってしまいました。。。

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